2010年9月7日火曜日

東芝 裸眼3Dテレビ来月発表

年内発売を目標 まずは国内投入 東芝 裸眼3Dテレビ来月発表
2010.9.4 05:00

 東芝は2日、専用メガネを用いずに裸眼で立体映像を楽しめる3次元(3D)液晶テレビについて、10月に価格やサイズなどの詳細を発表することを明らかにした。

 まずは国内投入を検討しており、年内発売を目標に準備を進めているとみられる。

 このほか、欧州での液晶テレビ販売強化のため、ロシアで液晶テレビ生産に乗り出す方針だ。

 同社の大角正明ビジュアルプロダクツ社社長が2日、独ベルリンでフジサンケイビジネスアイの取材に応じ、明らかにした。大角社長は裸眼3Dのサイズについて、「40インチ以上の大型サイズではパネル技術や映像処理の面でも厳しい」と説明。すでにパチンコなど娯楽機器向けとして開発した21型など、中小型が中心となる可能性を示した。

 このほか、11年度に欧州での薄型テレビのシェアを現状の約7%から10%に引き上げる方針も公表。英国やフランスに比べ、ドイツ、ロシアでは液晶テレビの普及率が50%以下程度にとどまっていることから、両国を中心に高価格帯製品の販売を伸ばしたい考えだ。

 欧州展開の一環として、ロシアでの現地生産を検討。すでにサムスン電子とLG電子の韓国2強が同国で生産を開始しており、大角社長は「2011年の春から夏にかけて始めたい」と、すでに調整段階にあることを明らかにした。

また、ドイツでは大手家電量販店に加え、独立系の家電販売店などとも連携を強化し、「日本の品質」を売りにブランド価値を高めていくという。

 ただ、足元の円高とユーロ安が「拡販にあたっての大きな課題」という。東芝の調べによると、欧州のテレビ市場は伸び率こそ低いものの、09年時点で世界の3分の1に当たる4700万台を占める最大市場。

 大角社長は「わずか数カ月でユーロが20%下がったが、だからといって単純に価格を20%上げられるわけがなく、コスト低減は大きな課題」と述べ、「きちんと運営する以外に生き残る道はない」とした。(ベルリン 森川潤)

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