2010年9月7日火曜日

【IFA2010】プロジェクターも3D時代が到来,ホームシアター用途で競争激化へ

ドイツのベルリンで開催中の民生機器関連の展示会「IFA2010」で,ホームシアター向けにフルHD(1920×1080画素)の3次元(3D)映像の表示に対応した前面投射型プロジェクターの出展が相次いでいる。ソニーが製品の投入を発表。三菱電機やシャープ,韓国のSamsung Electronics社などが試作機でデモを見せた。いずれも単眼式の3D対応機だ。民生用プロジェクターの需要が大きい欧米で,開発各社の3D対応競争が激しくなりそうだ。

 ソニーがIFAに合わせて発表した3D対応の前面投射型プロジェクター「VPL-VW90ES」は,表示素子に同社が開発したLCOS(liquid crystal on silicon)方式の反射型パネル「SXRD」を搭載した。2010年11月に欧州で発売する。

 表示素子の寸法は0.61型で,画素間ピッチは0.2μm。3D映像はフレーム・シーケンシャル方式で表示し,左目用と右目用の映像を240Hzで投影する。3D映像を見る際は,アクティブ・シャッター型のメガネが別途必要になる。光源は200Wの高圧水銀ランプで,輝度は1000ルーメン,コントラスト比は15万対1と高い。

 ほぼ同等の性能を備えた試作機を参考出展したのは三菱電機だ。SXRDを表示素子として搭載しており,フレーム・シーケンシャル方式で左目用と右目用の映像を240Hzで投影する。表示素子はソニーが出展した機種と同じと見られる。2010年末に欧州で製品化することを目指している。詳細の仕様は今後詰めるが,試作段階でのコントラスト比は12万対1,輝度は1000ルーメンである。会場では,来場者に製品化する際の名称を募集していた。

 このほか,韓国LG Electronics社もSXRDを表示素子に採用した3Dプロジェクターを使ったデモを見せた。2010年のCESに出展した機種で,左目用と右目用にそれぞれ二つずつの光学エンジンとランプを搭載し,一つのレンズを介して円偏向方式で投影する。通常のスクリーンよりも光の反射率が高い,いわゆる「シルバー・スクリーン」に映像を投影するデモを見せた。


Samsung社やシャープはDLP方式で実現

 Samsung社は,通常の映像を3D映像に変換する機能を備えたDLP方式のプロジェクターの試作機を出展した。2011年の早い段階で製品化する考えだ。フレーム・シーケンシャル方式で3D映像を表示し,アクティブ・シャッター型のメガネを使って視聴する点はソニーや三菱電機と同じ。HDMI 1.4の入出力端子を備える。

 このほか,シャープもDLP方式の3Dプロジェクターの試作機を出展し,フレーム・シーケンシャル方式で映像を投影するデモを見せた。

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